「参った」の表と裏

2017-12-22 05:48王蒙蒙
东方教育 2017年22期
关键词:意識時間空間

要旨:日本人、よくいた「参った」というのはどういうことですか。「参った」という日本語は、言うまでもなく「参る」と関係がある。また、「参る」は「負ける」と関わりがある。「参る」であろうと、「負ける」であろうと、どちらも日本人特有の「間」の感覚から生まれた独特の表現といえる。本稿は「参った」の表と裏をめぐる考察するものである。

キーワード:参った 負けた 「間」意識 以心伝心

「日本人はよく参った、参ったといいますが、参ったというのはどういうことですか」

「参った」とは、技を掛けられている方が負けを認める合図である。試合中に技が極まり、効いている場合に、掛けられている方は、相手や畳を2回たたくのが合図の基本である。この合図を出すと、その時点で負けが決まる。「参った」は抑え込みや絞め技、固め技が掛けられている最中に、返す見込みがない、強烈なダメージに耐えかねたときに発せられる。

「参った」は感動詞として二つの意味がある。①柔道·剣道で、負けた者がかける声。②負けた·おそれいった·閉口したの意味。もう一つ、「参った」は名詞として『「負けた」の意から』すもう〔古〕。

「參った」という日本語は、言うまでもなく「参る」と関係がある。

「参る」という言葉のそもそもの意味は、宮廷や社寺など、高貴な場所へ行くことであった。いまでも神社や仏閣へ行くことを、「おまいりする、もうでる、参詣する」という。「参る」は相手を尊ぶ敬語であり、ここから、「参った」というのは相手が自分より上であることを認めること、相手に対してとてもかなわない。「負けた」と自認し、敗北を宣言する。相手に屈する、負ける、という意味が生まれたのであろう。

日本人は、負けるのが好きな国民だとよく言われる。というより、相手に勝ちをゆずることによって、結局は自分が勝つことにある種の意義を見出してきた国民だと言ってもよいのかもしれない。そのことをよく言い表したのが、「負けるが勝ち」ということわざである。負けるが勝ちあるいは負けて勝つ、場合によっては、争わないで相手に勝ちを譲ったほうが自分にとって有利な結果になり、自分の勝ちに繋がるということ。一時的に負けることが、大きな目で見れば勝ったこと。言い換えれば、譲歩も時には成功の最善策である。

それはどんな場合でも、相手と対等の立場に立たず、そこに密かに優越感を感じながら、相手に勝ちをゆずってやるという考えである。相手に花をもたせながら、その実、指導権は自分が握っているという、ある種の利他的な行為である。だから、「負けるが勝ち」という思想は、あくまでも「勝ち」を意識した考え方であることが分かる。

「参る」であろうと、「負ける」であろうと、どちらも日本人特有の「間」の感覚から生まれた独特の表現といえる。「間」は、空間的·時間的·情緒的な余白を残して、人に想像させる余裕を与える。日本語の中で、「間」は単純な時間、空間の概念を意味するだけではなく、より多く物事が全体としての価値判断を直接に影響するという意味のである。「間」は相対、弁証思想を含んでいる観念である。すなわち、物事の間に備えるべき、合理的で正常な状態である。日本人にとっては、「間」というものは、空白な状態とか、あるべきものが欠落した状況をいうのでなく、むしろ積極的創造されたものである。多くの場合では、「間」が抽象的なもので、一種の感覚である。

「間」が交流の展開へ進むための緩衝地帯として、いろいろな役割がある。話して手が自分の位置、アイデンティティをしっかりと把握して、適当な「間」を取ることで、受け手が自由に考えたり判断したりする余地を与える。日本人の交流は目に見えず、口にも出さない、奥ゆかしさ·あいまいさ―すなわち「間」によって、相手に相手なりの解釈をゆだね、これこそいわゆる「以心伝心」のコミュニケーションなのである。「参った」という言葉、実は優越感を持つ人が「負ける」を通してそのような「間」を相手に譲る。時には、「間」のとり方いかんで、勝敗は逆転するのである。

こういうところから、日本人は「和」を重んじるのが分かる。つまり人間関係の調和、自分の言葉と行動を調整する。それによって、周囲の状況あるいは交際の相手に適応。そのため、いかなることをする時、日本人は他人の態度を考慮に入れて、相手に余地を与える。

日本人には他人と一定の距離を保つ傾向が見られる。「間」という心理的な距離を置いて、自分への個人空間を保つ一方、他人との摩擦を避けることができる。「間」意識は意見の対立を和らげ、衝突と葛藤の激化を避けて、「和をもって貴しとする」という日本的な目標を達成いしている。だから、「間」意識の中には日本人が人と事に対して調和感を潜んでいる。

参考文献:

[1]森本哲郎.日本語 表と裏. 新潮文庫

[2]三省堂.広辞林(第五版).1983

[3]三省堂.学習国語百科辞典(第2版)

[4]吉田精一.暮らしの中の国語慣用句辞典. 集英社

[5]郭崇.论日本人的“间意识”——以其文化内涵为中心.考试周刊,2011

[6]孔媛媛.日本人の「間」意識に関する考察―中日比較の視点から.东北师范大学,2013

[7]刘莉.日本人的"间意识".辽宁教育行政学院学报,2006

[8]马文静.从“言葉遣い”考察日本人的“和意识”.中国校外教育

[9]薛桂谭.浅谈日本人的“和”意识 .考试周刊,2015

作者简介:王蒙蒙,1991年4月16日出生,女,汉族,河南省开封县人,现就读于西安外国语大学日本文化经济学院2016级日语语言文学专业。主要研究方向:日语语言学。

猜你喜欢
意識時間空間
阅读理解专练(三)
A Misunderstanding
创享空间
创享空间
全城歡樂嘉年華——“2019澳門國際幻彩大巡遊”
檢討統一開考成效,合理提升行政效益
“一例多境”培育初中生法治意识
别用拼音
多做正分 少做負分 正確投資有章可循
《网络空间安全》订阅单